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 オーロラの写真を掲載したところ、友人からメールがたくさん来て、
うれしく思っておりましたが、南十字星の写真も見たい、などと言う、
???の意見もありましたので、解説します。

 まずこの案内図をご覧あれ。南十字星がしっかりと写っております。
中央に斜めに流れる南天の天の川の中に、ぽっかりと黒い穴が開いて
いますが、これが石炭袋と呼ばれる暗黒星雲です。


『あ、あすこ、石炭袋だよ。空の穴だよ。』
カムパネルラが、少しそちらを避けるようにしながら
天の川のひととこを指さしました。
                 (宮沢賢治 著 銀河鉄道の夜)


 その石炭袋とは、暗黒星雲なのです。暗黒星雲と言うと、なにやら
恐ろしいエイリアンが潜んでいそうな名称ですが、これは宇宙の巨大な
雲なのです。雲を照らしてくれる星がないところでは、このように
背後の明るい天の川や、星雲を隠してシルエットの形で見えるのです。

 その石炭袋の直ぐ下に、4つの星が形作る『南十字座』があります。
明るい一つの大きな星が輝いているのではなく、4つの明るい星で形作る
十字架の形をした星座なのです。だから正式には『南十字座』と呼ぶのが
正解です。

 ラブジョイ彗星のときにも案内図を添付しましたが、南緯45度にある
クィーンズタウンでは、南十字座も地平線に沈むことなく、南の地平線
の上を横に進み、また再び昇ってくるのが見られます。これは北海道で
北斗七星が、北の地平線に沈まないのと同じことです。

 そして南十字星は、真南の空に見えるわけではなく、オーロラの白く
明るい光柱が見えているところは、南西の方角なのです。クィーンズ
タウンから見て、オーロラの見える方角の中心は、南磁極のある南西
から南南西になります。